◆「敏感肌なので、アレルギー反応が出にくいカラーゴールドはどれでしょうか?」
「カラーゴールドの種類が沢山あって目移りしています。
敏感肌なので、アレルギー反応が出にくいカラーゴールドはどれでしょうか?」
とご質問を頂きました。
私たちが医療機関でないため、この選び方で100%アレルギーが出ないという保証は残念ながらできませんが、
アレルギー源となる素材が含まれるかどうかで、様々なカラーゴールドを分類することで、
比較的リスクが低い素材を選んでみることはできると思います。
あくまでアドバイスとしてご参考になれば幸いです。
あと、この素材選びの方法は当社の使用素材の成分を前提にしているため、
素材の成分は、会社によって違うこともあり、他社様の製品には当てはまらない場合がある事も考慮なさって下さい。
それでは、ご説明していきますね。
◆アレルギーの発生するメカニズムについて
金属アレルギーは、汗などで金属がイオン化し、その金属イオンが体内のタンパク質と結合することで体が異物とみなして攻撃が始まることです。
金属が触れる部分や、その近辺が赤くかぶれたり、かゆみを感じたりする症状を引き起こします。
チタンやジルコニウム、タンタルやハフニウムなど金属アレルギーに対して、高い安全性を誇るレアメタル素材が、アレルギーが出ることが無く安心して指に着けれるのは、この「金属イオン」をほぼ発生することが無いという優れた特徴からです。
アレルギーになりにくい金属でメッキすることで、アレルギーの原因物質となるイオンの溶けだしを防げるのでは?というご意見もあります。
ただ、時々身に着ける(触れる)程度の着用頻度のピアスと違い、結婚指輪は常時指に着けて、様々なものに触れる・こすれるものです。
そのため、ひと時カバーできたとしても早い段階でメッキのはがれが起き、露出した素材に触れる事で、炎症を起こしてしまう可能性が高いと思います。
たとえばチタンが対アレルギーで永遠性で優れているのは、その表面が特有の酸化被膜で覆われてイオンを封じ込めているためで、膜が素材それ自体から発生するためはがれて無くなってしまう事が無いためです。
◆アレルギーの原因となりやすい金属
金属アレルギーの発生率の高い原因物質(アレルゲン)としては、
・水銀
・ニッケル
・コバルト
・スズ
・パラジウム
・クロム
・銅
などの金属が特定されています。
アレルギーを防ぐには、これらが入っているものを出来るだけ避ける事が必要です。
今回はカラーゴールド選びがテーマですから、
金にアレルギーが無い方向けのコラムであること前提に、カラーゴールド選びで避けるべき金属の種類についてお話しさせて頂きますね。
◆カラーゴールドに含まれるアレルギーの原因となりやすい金属
上記のアレルギー源となりうる金属で、
結婚指輪に関係がある金属となると、
主に
・ニッケル
・パラジウム
・銅
・亜鉛
が高い確率で気を付けるべき素材となるかと思います。
・ニッケルは、アレルギーとの関係が取りざたされる時期があってから、
最近ほとんどメジャーには使用されなくなってきましたが、
パラジウム⇒プラチナ、
銅⇒K18ゴールド(18金)
亜鉛⇒ピンクゴールド、シャンパンゴールド
に使用されるので、この2種類にアレルギー反応がある方は、以下の成分表をご確認いただくと、
それぞれの成分が含まれるかどうかがわかりますので、
自分のアレルギー反応の原因となる金属が含まれるカラーゴールドは避けることで、
アレルギーリスクが少ないカラーゴールドを見つけられるかと思います。
※それ以外の金属にアレルギー反応がある場合は、別の調べ方が必要となります。
◆カラーゴールドの種類と成分(当社分)
Au(金)% | Ag(銀)% | Cu(銅)% | Pd(パラジウム)% | Zn(亜鉛)% | |
K24(ピュアゴールド) | 99.99% | ||||
K22オレンジゴールド | 91.7% | ◎ | ◎ | ||
K18イエローゴールド | 75% | ◎ | ◎ | ||
K18ピンクゴールド | 75% | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
K18ライムゴールド | 75% | ◎ | ◎ | ||
K18シャンパンゴールド | 75% | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
K18ブラックゴールド | 75% | ◎ | |||
K18グリーンゴールド | 75% | ◎ | |||
K18ローズゴールド | 75% | ◎ | ◎ |
◆「そもそもなんで銅やパラジウムを使わないといけないの?」
ここまで読まれて「そもそもなんでパラジウムをリングに入れないといけないの?リスクがあるのに・・・」
と思われた方、。お気持ちはわかります。。アレルギーのリスク⇒デメリットがあると同時に、
メリットもあるからなんです。
主なメリットは2つ。
・リングとして身に着ける、特にマリッジの場合、毎日、実際の生活で身に着けても大丈夫なよう丈夫さを持たせる。
・色合いを調節する。イエロー以外のホワイトゴールド、シャンパン、ピンクゴールドなどおしゃれ感ある色、美しいカラーバリエーションを実現する。
プラチナとゴールドは、そのままではかなり柔らかく、変形や傷の心配があるため、
・プラチナにはパラジウム
・ゴールドには銅
を「割り金/わりがね」といって、一定の割合で加えることで、適度な強度を実現しています。
この際、純度は例えばK18(18金)の場合75%と決められていて、これより低くなることはありません。
また、昔はプラチナ900(Pt900)とK18イエローゴールドの2択だったブライダルリングの世界が、
ピンクゴールドやシャンパンゴールドなど、バラエティーある選択が店舗で出来るようになったのは、様々な配合を研究して、個性的で魅力的な色合いのゴールドを実現した各メーカーの努力のたまものと思います。
メーカーによっては、純金や純プラチナを特殊な製法で強度を上げたマリッジリングのブランドがありますが、
・特約店のみでの取り扱いとなる。
・サイズ直しや修理などで後から加工を加える場合に、メーカーでないと対応できない。
・デザインがシンプルなものに限られている。
など、諸々の理由と思いますが、まだ一般的に多く見かけるレベルではないようです。
◆銅とパラジウム+亜鉛のチェックがポイント
先ほどまとめたように、「パラジウム」「銅」「亜鉛」に反応があるかたには、これらを含むか含まないかが素材となる地金選びのポイントになります。
(※純金、純プラチナで反応が出る方は、貴金属以外のタンタル、ハフニウムなどアレルギーへの安全に実績があるレアメタルが選択肢となります。)
この基準で上の成分表を見て行くと、次のようにカラーゴールドのリスクを分類できます。
◆アレルギーリスク別の低リスクなカラーゴールドは?
☆パラジウムと銅両方にアレルギーリスクがある方向けのカラーゴールド
⇒「パラジウム」「銅」両方が含まれないカラーゴールド
・K18グリーンゴールド
※K24も候補ですね。
☆パラジウムにアレルギーリスクがある方向けのカラーゴールド
⇒「パラジウム」NG,「銅」はOKの方向けカラーゴールド
・K22オレンジゴールド
・K18イエローゴールド
・K18ライムゴールド
・K18グリーンゴールド
・K18ローズゴールド
☆銅にアレルギーリスクがある方向けのカラーゴールド
⇒「銅」はNG、「パラジウム」OKの方向けカラーゴールド
・K18グリーンゴールド
・K18ブラックゴールド
☆亜鉛にアレルギーリスクがある方向けのカラーゴールド
・ピンクゴールド、シャンパンゴールド「以外」のカラーゴールド
繰り返しになりますが、この選び方は当社のリング素材の配合を基準にしておりますので、他社様は配合が異なる場合がありますので、ご確認が必要です。
◆好みのカラーゴールドにアレルギー源がある場合の解決方法
「好みのカラーゴールドにアレルギー源の金属が・・・どうしよう?」
こんなことがあると思います。
そんなときはすぐにあきらめるのではなく、当社の場合は豊富なカラーゴールドのバリエーションから、近い色合いのゴールドでアレルギー源となる金属を含まないものがある場合、そちらをおススメするようにしています。
例えば、
「ピンクゴールドが希望だけどパラジウムに反応があって・・・」
と言う方には、<ローズゴールド>をおススメして見ます。
ピンクより銅が含まれる率が少し多いので、色合いは少しオレンジよりですが、かなり近い色合いですので、時には「むしろこちらがイイ!」と喜んでいただけることもあります。
他にはやはりパラジウムでアレルギーを起こした方で「シャンパンゴールドのマリッジが希望です」
とのことでしたので、同じ薄めのイエローカラーに輝くグループで、<グリーンゴールド><ライムゴールド>をおススメしたところ、
「こちらで問題無いよね。」
とグリーンゴールドで製作GO!
ということもありました。
絶対これで、他は考えられない!
という部分を一度リセットしてみるのも良いと思います。
「この素材で
お近くにこれらのお取り扱い店が無い場合は、ご自宅でこれらの素材を確認出来る<サンプル送付サービス>をご検討くださいませ。
<お問い合わせフォーム>より<サンプル送付サービス>希望と希望の素材をお伝え下さい。
◆各カラーゴールドを選ぶ際の加工上の制約など
上記のカラーゴールドについては、どのゴールドもキャスト(鋳造)、鍛造技法での製作に対応できますから、
様々なデザイン、つち目など表面仕上げのテクスチュア付け、ダイヤモンドやサファイアなどの宝石のセッテイングも基本的にほぼ同じレベルで問題なく可能です。
グリーンゴールドだけは、他のゴールドより柔らかい素材となりますので、
・立て爪のエンゲージの石座部分
などへの使用は、外からの力でダイヤを留める爪の変形が他の素材より起きやすいかも知れませんので、避けられた方が良いかも知れません。
もし使用するなら、取り扱いにはご注意くださいませ。
また、グリーンゴールドに関しては、リングのアームはあまり薄くするのは、変形しやすくなるので考え物です。
当店では、1.7mm以上を推奨して製作させて頂いております。
K24は上のリストの調査対象に入れていないのも、素材としての柔らかさのためですが、あのリッチな色合い、独特の黄金色?はとても魅力的ですから、もしどうしてもK24でリングをと言う場合は、少したっぷりしたしっかり目の厚いアームに仕上げる方が、良いと思います。
もう一つの方法として、強度の高いレアメタル、例えばチタンやジルコニウムを内側に、外の面をK24を使用した<レアメタルコア>モデルもございます。
こちらが気になる方は、お問い合わせフォームよりお尋ねください。
◆決めつけは禁物です!パッチテストは有効。
アレルギーに関しては、「私はこの金属にアレルギーがある!」という思い込みは禁物です。。
結構な確率で見かけるのが、この2パターンです。
・実は手湿疹(主婦湿疹)~洗剤やリングの裏面の汚れ、汗で起こります~だった。
⇒金属アレルギーじゃなかった。リングを外し、しばらく指を清潔に保つことで収まった。
・アレルギー源と思っていた金属が、実は別の金属だった。
⇒「プラチナのリング」でかぶれたから、プラチナアレルギーと思っていたら、刻印を見たらプラチナ製じゃなくて、別の金属だった
このパターンです。
専門店ということでショップに「アレルギーがあるんです」という方が良くいらっしゃいますが、
例えば、「プラチナにかぶれて」と言う方が、実際に<テストピース>というリング素材そのもののかけらをバンソウコウで肌に貼るテストをしたら、全く問題が出ませんでした。
結局プラチナ900のリングを購入されて数年たった現在も全く問題がないようです。
細かく調べることは出来ていないのですが、上記の2つのパターンは知識をインプットされて、ご確認されてください。
皮膚科のパッチテストは有効で、実際に結果の用紙を持参でご来店の方もいらっしゃいます。
◆まとめ
「カラーゴールドの種類が沢山あって目移りしています。
敏感肌なので、アレルギー反応が出にくいカラーゴールドはどれでしょうか?」
というご質問に、パラジウム、銅にアレルギー発症の可能性がある場合を前提に、
リスクの低いカラーゴールドをわかりやすいよう分類して見ました。
一口に<アレルギー>と言っても、人によって、つまり体質によって発症の原因物質は違います。
店頭で良くうかがうのが「シルバーのピアスを着けてかぶれてから、ペンダントとかも着けれなくなって・・」
というケース。
この場合、実はアクセサリーのコーティングがはがれて、内部のシルバー925に含まれる<銅>の反応が出ていることも多いようです。
「シルバーのピアス」と言っても、柔らかい純銀ではなく、銅を加えたシルバー925であることが大半です。
つまりこの場合は、比較的銅に反応している可能性が高いわけです。
こんな風に、「プラチナやゴールドのペンダントにかぶれた・・・」という時も、
「ペンダントに含まれるどの金属に反応したんだろう?」
と考えていただき、皮膚科にご相談されてパッチテストなどで「なにがアレルギーを引き起こしたか?」原因を検査して特定しておけば、実はアレルギーにならない素材で出来ているのを知らずにリングやピアスを我慢するようなことは防げるでしょう。
個性的で、それぞれに魅力があるカラーゴールド。
アレルギーがあることで、気になる色合いのものがあっても、すぐにあきらめる必要は無いと思います。
原因物質であるアレルゲンがわかれば、上の表のように素材別にカテゴリーわけすることで、好みのカラーゴールドやそれに近いこともできます。
わかりにくければ、リモート・ご来店やメール、ライン、でのご相談も無料でご対応しております。
しっかりサポートいたしますので、一緒に理想のエンゲージ・マリッジづくりを実現いたしましょう!
他のカラーゴールドの選び方に関しては、
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この記事はあくまで、アレルギー源となる金属が含まれるかどうかの分類ですので、100%皮膚にアレルギーが出ない保証とは行きませんが、
結婚指輪、婚約指輪を購入なさる場合のご参考になれば幸いと思います。
出来るだけ簡単にアレルギーの対象となる成分とそれを「含む、含まない」でカラーゴールドの分類を解説して見ましたが、いかがでしょうか?
この記事でなにかご不明な点、ご相談などございましたら、専門店としてのキャリアを活かして、
出来るだけ丁寧にご対応をさせて頂きます!いつでもお問い合わせフォームからご質問をお願い致します。