はじめに

「金属アレルギーなので好みのデザインをあきらめかけてました」
結婚指輪探しをしていて私たちのWebサイトをたまたま見つけた、
とのことで、ご連絡を頂いたお客様から、こう伺いました。

どんなデザインかを詳しく伺うと、ずらっと小粒のダイヤをあしらった
「ラインセッティング(彫り留め)」を施したタイプのリングでした。

「プラチナやホワイトゴールドのものは普通にたくさんあるのに、
アレルギー対応のモデルは、ほんとに探しても見つからなくて・・・」
と、ずいぶん探されたとのことでした。

金属アレルギー対応素材は石留がしにくい?

そのお客様は、「あきらめきれなくて色々質問してみました」
と色々尋ねてみてこんなことがわかってきたそうです。。

プラチナ、ゴールドなどの貴金属に比べると、
金属アレルギー対応素材は硬く、強度が高いレアメタルを使用するため、
「ななこ留め」と言われる一粒石を埋め込むタイプは出来ても、
溝を彫りこんだ間にダイヤを
きれいに並んで状態に留めていく「ラインセッティング(彫り留め)」タイプは、
対応が難しいと。

「それでも友達の結婚指輪のダイヤが七つ並んだキラキラ感が
すごく素敵で、なんとか同じタイプでアレルギー対応バージョン
に出会いたい!と探しました!」

「ナナコ留め」と「ラインセッティング(彫り留め)」の違い

ここで二つの宝石のセッティング(石留め)方法について、詳しく見ていきましょう。

婚約指輪(エンゲージリング)のセンターのダイヤのように大きめの石は、
石座と呼ばれるデザインの一部となる爪で、しっかりとセットされます。

結婚指輪(マリッジリング)へのダイヤなど小粒の石を留める場合は、
多くは先ほどの
・ナナコ留め
または
・ラインセッティング(彫り留め)
という留め方になります。

<ナナコ留め>について

<ナナコ留め>は<ミルセッティング(ミル留め)>等とも呼ばれ、
「ナナコタガネ」と呼ばれる先端が丸く凹状にくぼんだたがねで、
リング表面に丸い玉を作り、ダイヤなどを抑え込んで、留める方法です。

主に一粒をリングの真ん中に留める時に使用します。

<ラインセッティング(彫り留め)>について

ラインセッティング=彫り留めは、写真で見る方が早いですね!

①タガネで宝石を並べる部分を囲うように彫りを入れて行きます。

②宝石を留める爪になる部分<以外>の金属をタガネで取り除きます。

【実はここポイント!】
・この彫りが浅すぎると、ダイヤなど宝石が地金に埋まったようになり、光がはいらないので冴えない印象になってしまいます。

・良く切れるタガネで、彫ることで彫ったあとがキラッキラに輝き、そこに留められた宝石も、反射でより色が良く美しさアップ!

・宝石の留まる部分を深めに彫りを入れることで、光線がタガネの彫ったミゾから宝石に導かれて、より輝きがアップ!

25年以上の彫り留め職人が手掛けるセブンドリームスのリングの彫り留めは、これらのポイントをキッチリ抑えた素晴らしい仕上がりと思います!


スッキリが好き!派花嫁にはフラットベゼル(ふくりん留め)という留め方も


似た方法で、フラットベゼル(ふくりん留め)もあります。
石の周り一周にぐるっと地金をかぶせるように留めるため、他の留め方のように
宝石を留めるための爪がありません。

そのためちょっと見、石だけが地金の表面に留まっているようで、スッキリした印象です。

ふくりん留め ダイヤモンドの留め方
フラットベゼル(ふくりん留め)

ラインセッテイング(彫り留め)の2大メリットとは?


ラインセッテイング(彫り留め)の他の留め方との大きな違い、
メリットは、

①ダイヤへ光を誘導する量が多いこと
②研ぎ澄ましたタガネで彫り上げた面のまばゆいキラキラ

この二つ。

ダイヤの周囲の地金を、最小限ダイヤを支える部分以外
細いタガネで彫り取ってしまうので、その空間からダイヤへ光が
導かれ、きらめきが最大限にアップ!

しかも

彫る時に使用するタガネの刃は鏡のように磨かれているので、
彫り後もミラーのように輝きます。

・彫った面がレフ板のようにダイヤに光を贈り、ダイヤを際立たせる。
・彫った面自体もまばゆい光を放つ。

そんな伝統的な職人技の冴えがリングにもたらす美しさが、ラインセッテイング(彫り留め)の大きいメリットなんです。


金属アレルギー対応結婚指輪のラインセッテイング(彫り留め)のメリットとデメリット


メリット

・人気のメレダイヤがずらっと!のマリッジがアレルギー対応
メレダイヤがずらりと並んだマリッジは、今やスタンダードで、
1/3以上の花嫁がお選びになる人気のスタイル。

結婚指輪 エタニティー
【ホワイトダイヤモンド エタニティ】
結婚指輪 エタニティー
【ピンクダイヤモンド&グリーンダイヤ エタニティ】

アレルギー対応のレアメタルでも、このラインセッティングが
実現出来ることで、敏感肌でアレルギーがご心配な方でも、
プラチナやゴールドと同じように、制限なく好きなデザイン、
まばゆくダイヤが並ぶエンゲージやマリッジを選べるのは
大きなメリットです。

デメリット

アレルギー対応素材は、
・チタンジルコニウム素材

・タンタル素材

どれもが硬く、強い金属で、細いタガネで彫り、ダイヤを留めるのは困難が伴います。
そのため、これらの金属アレルギー対応素材へラインセッティング出来るショップは
私たち含めて国内でもそれほど多くありません。

近くに取り扱うショップがなかなか無いという場合も考えられます。

そんな場合は、メールオーダーやリモートでのお打ち合わせにご対応している
ショップもありますので、まずは無料でのご相談をご利用されてみるのも良いと思います。

私たちも、北海道、長野、東京、大阪、広島、山口・・・
ほぼ全国からのリモートでのご相談で製作させて頂いた実績があります。


まとめ


いかがでしょうか?
ここまでお伝えしたことを整理してまとめてみます。

・結婚指輪への宝石のセット方法は、
<ナナコ留め><フラットベゼル(ふくりん留め)>
<ラインセッティング(彫り留め)>などがある。

・人気のダイヤがずらりと並ぶラインセッティング(彫り留め)
は、ダイヤの周囲の地金を、細いタガネで取り除いて光の道を
作っていくので、ダイヤの輝きを引き出せる。

・ラインセッティングのもう一つのメリット
タガネの彫り跡がキラキラ輝き、ダイヤの輝きとのハーモニーで
よりゴージャスな印象に

・メリットは、敏感肌、金属アレルギーでも、プラチナやゴールドの
結婚指輪と同じくダイヤが並んだエンゲージリング&マリッジリングが作れる。

・デメリットはどのショップにでもあるわけではない。
もしお近くに取り扱いショップが無ければ、リモート相談やメールオーダー
の活用を!

こんな感じでしょうか。

出来るだけ詳しくお伝えしたつもりですが、
もしわからない点や、ご相談がある場合、
・お問い合わせフォーム

・ご予約はこちらからご利用ください。


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